制作:Nautilus
 
Artbook
グリの街、灰羽の庭で - 安倍吉俊 灰羽連盟画集
发行时间:2003年12月25日
内容简介:
以绘本图配文的形式讲述灰羽的故事,图片与文字搭配很有意境.新图并不多,但是都是精品.
本页面后附本画册的文字.
 
 
 

グリの街、灰羽の 庭で 安倍吉俊 灰羽連盟画集

この本が、灰羽連盟とういアニメーション作品を楽しむ一助となる事を、そして灰羽連盟とうい物語があなたにとって特別な物語になる事を、この物語の作者としても強く願っています.

空/クウ/Kuu/haibane age: 2/空宇
落下/ラッカ/Rakka/haibane age: 0/絡果
河魚/カナ/Kana/haibane age: 3/?
光/ヒカリ/Hikari/haibane age: 4/?
礫/レキ/Reki/haibane age: 7/礫
眠/ネム/Nemu/haibane age: 9/?

Page4-5 プロローグ
灰羽は、綿毛のような小さな種として、この世界に忽然と現れる.

種はやがて大きな繭となり、繭を破って灰羽は生まれる.

灰羽は繭の中で夢を見る.その夢が、この世界でのその灰羽の呼び名.

羽が生え、世界に馴染んだ灰羽は、街で仕事を見つける.

天使でも人間でもない、ハイバネの生活

やがて来る巣立ちの日のために.

Page6-7
灰色の空を真っ逆さまに墜ちていく少女、厚い雲を抜げると、眼下に広がる緑の街.

Page8-9
街の外れの「オールドホーム」

灰羽のレキが見つけたのは孵化直前の、おおきな繭

Page10-11 チャコール·フェザー
繭から生まれた少女はその晩のうちに羽を得る.

濡れた羽を照らす月光

血まみれの羽を梳く櫛の音

「本物だ…」

「きれいな羽だよ.白くも黒くもない、きれいな灰羽」

頭上にいただく後輪と背に負った小さな灰色の翼

少女はの世界で「ハイバネ」としての生を受ける.

Page12-13
「私は真っ白光の中にいる夢.だからヒカリ」

「私は河の中を魚みたいに漂ってる夢.だから河の魚って書いて河魚.

繭の中で見た夢だけが残された唯一の記憶

空を落ちていた少女の夢

「ほかにも何か見た気がするんだけど…思い出せない」

「じゃ、落っこちるの“落下”にしよう.あなたの名前はラッカ」

Page14-15
「ようこそ、私たちのオールトホームへ」

Page16-17
優しく迎える5人の仲間たち

穏やかな生活の始まり

Page18-19 グレー·スカイズ
「カナ、あたしも乗せてって!」

「街から遠いんたよな、もう!」

町外れにある灰羽の巣から市街地への通勤はいつも一苦労

灰羽と人が共有するグリの街

人の街に居候する灰羽たちは、労働し、人と街に奉仕する

それが一人前の灰羽の生活

Page20-21
壁に囲まれた街、グリ.その中心は北の大門広場

閉ざされた街にトーガの隊商がやってくると、広場はにわかに活気づく

難解なトーガの手話がわからるのは灰羽連盟の話師だけ

壁の外の世界を知る者はこの街にはいない

Page22-23
西の森の奥深く石造りの巨大な回廊は灰羽連盟の寺院

「同志ラッカよ.我々は今日よりお前を同志として迎える」

話師が厳かに告げる

「自分のため、自分たちの住み処のため、お前は良い灰羽でおらねばならない」

Page24-25
「この街の外に、私が今まで住んでた街があるのかな…」

そう思えるのは思い出せない別の世界を知っているから?

アホか

イテテテテテ

ねっこがるには羽根じゃまだねェ

う~~~

Page26-27
休日にはみんなで街へ

「街に慣れたら、ラッカも仕事探さなけちゃね」

Page28-29
レキの仕事はオールドホームで預かっている幼い灰羽たちの世話をすること

Page30-31
クウはカフェでお手伝い

ヒカリはパン屋で大活躍

Page32-33
カナは時計職人の見習い中

ネムは大きいな図書館の司書

この街で生きる灰羽の、それぞれの夢とそれぞれの居場所

Page34-35
働いて、支え合って、

この街ではみんな自分の力で生きている

そんあ当たり前のことをここに来る前は知らなかった気する

「いいのなら、私……こんなに幸せで……」

灰羽が身体に馴染んだらこの違和感も消えるだろうか

Page36-37
重たい雲が駆け足で夏を追い越していく

Page38-39 ブラック·マーク
「心の中に、コップがあるの」

心の中透き通ったコップその中に毎日少しずつ落ちてくる小さな雫

「それでね、今日、あたしのコップがいっぱいになったような、そんあ気がしたんだ」

急に大人びて見える横顔触れた指先から窓をつたう水滴

ラッカの心にぽつんと染みる何か

Page40-41
窓の外に鳥の影

嵐の空に光の柱

「灰羽はね、巣立ちの日を迎えると壁を越えるんだ」

「ほんとに飛べたちいいのにね」

いつかの街への道の上

「信じていれば、いつか必ず飛べるよ」

クウはまっすくな瞳で小さな翼をはためかした

Page42-43
『ラッカも、私に雫をくれたんだよう……だから、ありがと』

クウのことば残響で胸がいっぱい

「みんな、私を置いていっちゃうんだな……」聞こえないレキのつばやき

Page44-45
壁を落書き

窓辺の人形

クウの名残がしだいに滲む

「泣いちゃ、だめなんだ…」

力なくひとつはばたくと、足下に落ちる病んだ羽

Page46-47
みるみる広がる羽の黒班

黒い羽は“罪憑き”の証

思いがけないレキの告白

思い出せない繭の夢

一居場所なんて

どこにもない

Page48-49
「私を…呼んでる?」

森に誘う鳥の群れ

Page50-51
井戸の底の屍に託された

懐かしい誰かの伝言!

私が見た夢がほんとうのことなら

私は帰って謝らないきゃ

いつしか背に降り積もる雪

Page52-53
「罪を知る者に罪はない.

では、汝に問う.

汝は罪人なりや?」

Page54-55
「レキ、私、井戸の底で、繭の夢を見つけたよう…」

ラッカの背にはふたたびきれいな灰の羽

ふたりだけの秘密はもうなくなってしまった

Page56-57 オールド…アッシュ
「私のことなら心配いらない

私は一人になっても

平気たからー」

「えっ?」

「私は、ネムの足手まどいなはなりたくないんだ」

レキは灰羽でいられる時間はあと少し

焦りと負い目が彼女を急き立てている

Page58-59
信じた人に取り残された過去

呪縛のような7年分の記憶

そして今年もまた同じような冬

Page60-61
独り探し続ける夢

諦めの

入り交じった決意

「もう、終わりにしようー」

Page62-63
頭上には赤い月

足下には鉄の轍

突き付けられる真実

暗い“轢”の世界

絞り出される

ー再び

閉ざされる扉

Page64-65
「初めて自分で繭を見つけた!

嬉しい!嬉しい!

これはきっと特別な事だ.

神様が私に遣わしてくれたんだ.

うんと優しくしてあげよう.

ずっと一緒にいてあげよう.

今度これ私は

クラモリっみたいに

良い灰羽になるんだ」

月光に照らされたクラモリの肖像は

ラッカを促すように優しく微笑みかけた

Page66-67
「私がレキを救う

鳥になるんだ」

Page68-69
消えた罪憑きの証

雪が洗い流したように

Page70-71 スノウ·ホワイト
「…いつか、また会えるよね」

「うん.そう…信じてる」

森のは入口で振る先はー

ーオールドホーム

Page72-73
「…レキは、無事に?」

「…よかった」

ゲストルームの壁には

レキの遺した絵

キャンバスの中と同じ

明るい季節が

もうそこまで来ている

Page74-75
「…私は、レキの事、忘れない」

Page76-77 エピローグ
繭の夢.罪憑き.巣立ち.

罪の輪.光箔.真の名.

祝福

祝福を受けられぬ灰羽は、その漂を失い

祝福を受けた灰羽は真の名を獲得し

壁を通じて時代の灰羽を見守る.

空宇、河魚、光、眠、礫—そして、絡果.

皆で過ごした日々.

またいつか、誰かが誰かの鳥になって.

Page78-79
グリの街、灰羽の庭で

安倍吉俊
1971年生まれ.東京都出身.東京芸術大学絵画修士卒.『月刊アルタヌーン」1994年四季賞夏のコンテストに受賞、大学在学中の1998年ゲームソフトに『バッケローダー』に参加.さらに同年(どうねん)TV作品『serial experiments lain』にて初のオリジナルキャラクターデザインで参加.アニメ誌上にて同作品のイラストストーリーを連載し、画集「オムニプレゼンス」を発表.読いてオリジナルキャラクターデザインで参加した『NieA_7』では『月刊エース NEXT」にてオリジナル漫画を連載.本作『灰羽連盟』ではTVアニメシリーズ全話の脚本も手がけ、キャラクターデザイナー、イラストレーターとしてだけなく、ストーリーテラーとしての才能を発揮した.確かな画力が生み出す緻密背景と、繊細な人物形から成る独自の世界には、海外のファンも多い.

代表作/『serial experiments lain』『NieA_7』『灰羽連盟』『TEXHNOLYZE』ほか

あとがき
2002年の5月2日、正確に言うと5月3日の朝、灰羽連盟と題された物語の最初のプロートを書き終えた.その時の高揚感や、キーボードを叩いていた指先の感覚を、今でもはっきりと覚える.定規でまっすぐ線を引くみたい、確かに僕は自分の無意識の中へ、漠然と蓋をしていた記憶の底へ、降りてゆく事ができた.そこで見いだしたものは、僕以外の人間には意味をなさないものだったけれど、物語のあるべき結末を照らす標になってくれた.

灰羽連盟という物語のすべての要素は、そんな風にして、何らかの形で僕の記憶と結びついている.その構造性がこの物語を(少 なくとも僕にとって)特別ものにしてくれたのだと思う.

この本が、灰羽連盟というアニメーション作品を楽しむ一助となる事を、そして灰羽連盟という物語があなたにとって特別な物語になる事を、この物語の作者として、とても強く願っています.